水道管セルフ修理

入居当初の話です。
四月の入居時点で水道は使用不可能だった。
水道の元栓をひねると3カ所から水が漏れた(吹き出した)。
トイレはもちろんその機能を果たさなかった。
お隣さんからバケツで水を分けてもらいながらの超節水生活がはじまった。
トイレは簡易用の容器で済ますか、外で用を足すしかなかった。
こうしてぼくたちの西陣難民サバイバル生活がはじまった。
水道屋に工事の見積もりを出してもらったが、かなり簡易版でも18万円と言われた。
一般的な相場で言ったならかなり安く見積もってもらったのかもしれないが、残念なことに僕たちには水道の補修にその金額を出せる余裕はなかった。
残る方法はただ一つ。
自分たちで直すしかない。
幸い、ゲルグに水道管を触った経験があった。
地面に穴を掘って漏水箇所を特定し、塩ビ管の径をはかって、新たなジョイントや管を近所のホームセンターで買い求め、損傷箇所を新たな接合部に合わせて切断しヤスリで削り、専用の接着剤を用いて再接続した。
地下の塩ビ管はほとんど傷みはなく、地上に立ち上がる金属管の錆が主な原因であったので、既存を再利用した。
いくつかの水の出口を殺すことになったが、それらは現時点で特に必要ではないので問題はなかった。
接着剤が定着したあとに元栓を開くと、水道メーターがまだ少しずつまわっていた。
水道管の通り道を異常がないか確認したところ、トイレのフラッシュバルブへ通じる管から少しずつ漏れていることが原因であることが判明した。
そこはトイレの床を解体しないと繋げない位置だったので、とりあえず閉じてしまうことにした。
かくしてわが家のトイレはタイ式ハンドフラッシュとなったのであるが、自分の家で用が足せるということがこんなに幸せなことだとは知らなかった。(後日別の水栓からホースで水を引っ張りタンクを移設し、めでたくレバーを引くだけで水が流れるようになる)
その後水漏れはない。
排水は土管であるが、問題なく流れている。


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